京表具
千年もの間,日本の都としてのみならず「美と文化」の中心でもあった京都。その中央に鎮座する御所をとりまくようにして,公家屋敷や社寺,茶道・華道・香道等の家元が集中していました。つまり宗教・芸術・学問の世界における主体が京都にあり,京表具は日本の「美と文化」を創造および継承するなかで生まれ発達してきました。
近代に入り東京へと遷都したものの,「表具に適した良質な地下水」「黒谷・吉野・越前といった良質な和紙の産地から比較的近いこと」「高級で優雅な裂を生産する西陣」といった良い表具の材料にも恵まれた京表具。
さらには長い歴史と高度な需要の恩恵で独自の確かで厳しい審美眼が培われ,現代においても国内の文化財修復の約8割が京都で行われています。そんな「京表具」の世界を少しでも知っていただくために,「表具の歴史」ならびに「表具の美を観賞する」という項目を設け,このコンテンツでご紹介いたします。
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※参考・引用文献『京表具のすすめ』(法蔵館,1991)